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書物に学ぶ

 吉川英治に「宮本武蔵」の作品がある。宮本武蔵に限らず、吉川文学には深い人間洞察と佛教思想が底流にあり、企業経営をする上で、多くの智慧を学び得ることができる気がする。

 武蔵の剣の師は彼の父の無二斉であり、それ以外には正統な流派の師にはつかなかった様である。ところが、武蔵の「言」を借りれば生涯六十数度の試合に負けたことがなかった様である。「吉川文学」によれば、(それが事実か否かは別として)武蔵は臨済宗の僧「沢庵」によって、書画、俳諧、茶等に通じ、又沢庵の伝(つて)により池田輝政の居城姫路城で、三年間の読書三昧により内外の知識を得(特に哲学的知識)その知識がベースとなり、剣は実践を積み重ねる(体験)ことで無敵の剣士となったばかりでなく、熊本細川家にその人間性を評価され、請われてその生涯を熊本で終わった。
 武蔵の生涯の教訓から、他から高い評価を得るには、深く広い知識と、体験を重ねた結果の知慧とそれらを基本とした暗黙智(直感といっても良し、洞察力、先見力といっても良し)に依るものと思われる。これらは短期間で習得できるものではなく、長い時間と努力の積み重ねに負うところが大きいものである。
 すなわち、到達すべき「高い志の目標」を設定し挫折に挫けることなく目標達成することへの強い意思と継続力によって可能となるものである。

P/L・B/S

 日本経済が長期間にわたり経済の縮小均衡状態であったのは、政府の経済政策にもよるが、多くは、企業経営者の後向きな経営姿勢によったものと思われる。
 かつてのハングリーな時代と異なり、成熟満たされた世の中では積極的、挑戦的経営から守りの経営とならざるを得ないのは人の常である。
 又、企業経営には大きな影響をおよぼす「会計制度」も商法等の改正により、かつての大陸型会計から英米型会計への変更も無意識に影響を与えているものである。
 特にアメリカ式の経営がその影響力を増した近年は、経営者が短期の利益を目標にその損益力の増大に関心を向け、財政の健全性をおろそかにして来ている。このことは、日本政府の国庫を見てもその大幅な財政赤字(1,000兆円)から判断できる。

 経営者は常に逆転の発想をもち、他人(ヒト)と違ったことを行なう「勇気」が必要である。
 アメリカ型経営の「損益」中心から、かつて企業が成長したその原点である「財政」型経営に視点を変えることが重要ではないだろうか。

顧客とは

当たり前のことだが、顧客は企業のために存在しているのでもなく、企業に貢献するために物を購入するのでもなく、さらに企業を成長発展させる為に存在しているのでも無い。
顧客は顧客自身に有用、有益になるから商品を買いサービスを受けるのである。したがって自分にとって一番良いものを一番安く買うのである。

暗黙知

経営者にとって必要な能力に「暗黙知」がある。
「暗黙知」という概念はマイケル・ポランニーの言葉である。彼は「なぜ世界は不幸になったのか」を明らかにするため、哲学者に転向(もともと世界最高峰の物理化学者であった)した。
「私たちは言葉にできることより多くのことを知ることができる」とし、言葉に置き換えることができない、意識の表面には上らない「知る」という作用に背後で決定的な影響を及ぼしているのが「暗黙知」であるとした。
経営者はこの「暗黙知」によってのみ顧客のニーズの進化(変化)を知ることが可能となる。
「暗黙知」の欠落している経営者には企業の未来は約束されないと知るべきである。
しからば「暗黙知」を身につけるには如何なる体験が必要となるか?それは日本の先人の言葉の中にある・・・