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物語を紡ぐこと

 かつて平清盛という人間がいた。
 清盛は平氏一族を時の絶対権力者であった貴族、朝廷に認めさせ、武士の力を認知させる「物語」をその全生涯において脚色した人物であった。
 しかし、その平氏も清盛の死と共に衰亡の坂を下るのに多くの時を費やすことはなかった。それは平氏の後継者が、清盛の様な平氏の持続的繁栄の物語を生み出し得なかったからである。

 現代社会においても、かつて世界を席巻した松下(現パナソニック)、ソニー、シャープ等創業者が保有した企業経営のストーリーがその後継者になく、現実の経営で苦しんでいる企業もある。
 それは大企業のみならず中小零細の企業においても、同じ業種でありながら、成長企業と停滞、衰退企業とに二極分化しており、 その違いの差は、「経営戦略に物語があるか否か」である。
 すなわち、経営者が自己の経営をストーリー(物語)として捉え、面白き脚本を書き上げているか否かである。